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禁煙外来のご案内
 タバコはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の主な原因とされ、肺がんや肺年齢の低下などさまざまな影響をからだにおよぼします。2006年4月より、禁煙治療が保険給付の対象となりました。また、現在では禁煙の飲み薬が処方できるようになりました。この機会に禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか? 病院があなたの禁煙をサポートいたします。

治療が保険給付の対象となるためには条件がございますので、ご注意ください。
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負担額
【保険給付の対象となる場合】
保険給付の対象として認められるのは、通院回数(初診を含めて)5回、
期間は3ヶ月(12週間)で、費用はおおよそ2万円前後(お薬代含む)になります。

初診時:約3,150円
2回〜4回目:約1,130円
5回目:約910円
+飲み薬もしくは貼り薬などの料金(2週間分で約2,000〜2,500円)
  ※上記診察料は3割負担の方の負担額です。
 
【保険給付の対象とならない場合】
通院回数(初診を含めて)5回、期間は3ヶ月(12週間)で、
費用はおおよそ7万円弱(お薬代含む)になります。
初診時:約10,600円(一秒量の肺機能検査・一酸化炭素濃度検査・指導を含む)
2回〜4回目:約3,760円
5回目:約3,040円
+飲み薬もしくは貼り薬などの料金(2週間分で約7,000〜8,500円)
  ※3ヶ月以上空くと初診となります。


保険給付の対象となる条件

 条件1:
ただちに禁煙しようと考えている。
 条件2:
下記設問に対し5つ以上「はい」がある。

 問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
 問2. これまでに禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
 問3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
 問4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
 問5. 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
 問6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
 問7. タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
 問8. タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
 問9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
 問10. タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか?

 条件3: ブリクマン指数が200以上である。
 ブリクマン指数=1日当たりの喫煙量×喫煙年数
 【例】1日20本を30年吸い続けている
    20(本)×30(年)=600(ブリクマン指数)
 
 条件4:
禁煙治療を受けることを文書により同意している。

禁煙外来の流れ
  外来受診
  (初診)
看護師がアンケートをとります。 
検査技師が肺機能や一酸化炭素濃度などの検査を行います。
まず、ビデオを見ていただきます(約15分間)。
   ↓
  問診・指導 パッチの張り方などご質問もお受けします。
どうして、禁煙することになったか、などをお聞きします。
無理のない日を選んで禁煙日を決めます。
その日からタバコに関する一切の道具(灰皿、ライター)を捨てて、パッチを張ります。
   ↓
  禁煙コール 禁煙日より、3日後(休みの場合には2または4日後)に看護師が禁煙コールをいたします。
   ↓
  外来受診
  (再診)
2週間後に再診していただき、経過と調子についてお聞きします。その上で、それ以降のパッチの張り方についてご指導いたします。
お忙しい方は、1か月分の処方も可能です。

※肺気腫や慢性気管支炎、喘息がある場合には、包括的呼吸リハビリテーションの枠内で禁煙指導を行います。ただし、パッチなどには健康保険は使えません。
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タバコ
はじめに
タバコを吸うと、若者でも息切れ、持久力がなくなり、肌のつやが悪くなります。タバコを一本吸うと16分寿命が短くなります。一日20本で6時間、すなわち、80歳の寿命が60歳になります。「タバコを吸って早死にしてもそれは本望」と言って、禁煙に全く興味を示さない人もいます。しかし、単純に寿命が縮むわけではありません。タバコは万病の元、肺癌、肺気腫、心筋梗塞、狭心症、胃潰瘍を引き起こします。肺癌や肺気腫の病気になると大変きついです。
依存症と喫煙率
また、一度タバコを吸いだすと、麻薬と同じように、ニコチン依存症に陥ります。アルコール、マリファナ、覚醒剤、コカインなどの依存者の多くは未成年のころに喫煙を始めています。近年、日本の喫煙率は下がってきており、全国調査で最も新しい2014年調査では男性喫煙率が30.3%・女性が9.8%でしたが、諸外国と比べると未だ高い状況にあります。(喫煙者は推定1500万人)
ナースとタバコ

看護職の女性の喫煙率は7.2%で、一般女性の平均値よりも低い値を示したことが日本看護協会の調査でわかりました。まずは、医療関係者から健康的なモデルになることが求められますから、今後も看護職の禁煙を訴えていかなければなりません。
女性と男性のタバコ
女性がタバコを吸うことは、かっこ悪いことを自覚して、まわりの人もやめるよう言ってあげましょう。男性の場合は、職場で分煙化が進むなど社会的な禁煙化傾向の中で、たばこをやめる人が増えているようです。
タバコを吸っている人にも、有効な禁煙の方法があります。「やめるぞー」とあまり意気込むとうまくいかないことが多いようです。宴会などがなく、ストレスもたまらない時期にリラックスしてやめましょう。体のニコチンをゆっくりと下げていく禁煙補助剤(ガムやパッチ)を使うと、成功率は高くなります。ガムは薬屋さんで、パッチは禁煙指導を行っているお医者さんに相談されてください。
肺がんとタバコ
     日本では1993年(平成5年)に肺癌が胃癌を抜いて男性のがん死亡の1位になりました。タバコを吸っている人が肺癌になる確率は吸っていない人に比べると5倍高く、肺癌の70%がタバコによるものと言われています。特に、毎日20本30年以上タバコを吸っている人はハイリスク群(肺がんになる可能性が特に高い)であり、少なくとも毎年1回の胸のレントゲン写真とたんの細胞の検査をする必要があります。
また、タバコを吸っていて血痰がある場合も検査を受けましょう。
肺がんは血痰や胸の痛みがなどの自覚する症状が出にく く、早期のがんとして見つかることは少ないのです。転移が早いため、手術をすることも難しいことがあります。また、肺がんは他のがんに比べて治療の効果がないことが知られています。
しかし、肺癌を免れても、息切れがとてもつらい肺気腫になったり、心筋梗塞、狭心症、胃潰瘍などのリスクファクターとなります。
ニコチンとタール
 タールやニコチンの量が少なく表記されているタバコは、フィルターの部分に穴を開けて空気で薄めて吸いやすくしているだけなのです。機械で測定すればタールやニコチンの量は少なく表示されますが、フィルターの穴を指や口でふさいで吸えば、いくらでも濃いタールやニコチンが入ります。
 喫煙者が節煙のためにタバコの本数を減らしたり、軽いものに変えたとしても、タバコの害は変わりません。
節煙すると無意識のうちに深く吸い込むようになり、体の中に入る有害物質の量はむしろ増えます。

 また、タールやニコチンが軽いタバコは、抵抗感や肺への負担が軽く感じるために未成年者が手を出しやすい状況を作りだしてしまいます。

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