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呼吸リハビリテーション
〜息苦しさでお悩みの方へ〜
◆呼吸リハビリテーションとは??◆
 慢性の呼吸器の病気の方は、息切れのために動くこと自体が怖くなっていることがよくあります。でも、若い頃は運動して汗をかいたり、運動のすがすがしさを実感していたと思います。
 呼吸リハビリテーションの目的の一つはその運動のすがすがしさをもう一度思い出してもらうことにあります。「ちょっときついかなあ」と思うような運動を毎日続けていると、着替えをしたり、お風呂に入ったり、炊事をしたりというような日常動作が楽になります。

 呼吸リハビリテーションは吸入薬や飲み薬、酸素吸入というような治療を行っていても、さらなる効果が期待できます。動ける、楽になったという感じをつかんで、毎日を前向きに暮らすようにしましょう。
足立山を眺めながらトレーニング 朝は皆で呼吸体操から始まります
天気の良い日はウッドデッキに出て歩行訓練も 外来の呼吸リハビリでは、アロマテラピーや
音楽療法などの代替療法も行います
◆呼吸リハを開始するにあたって注意すべきこと
 体調が悪い時(例えば、じっとしていて脈がいつもより早かったり、熱があったり、足が普段よりむくんでいる時など)はまず、かかりつけの先生や訪問看護師さんに相談しましょう。ゆっくりと自分のペースをつかんで呼吸リハビリテーションを行って行きましょう。
◆体内に痰がたまるとどのような影響があるか?
 空気の通り道に痰がたまると、酸素が体の中に入りにくくなりますので、息苦しくなります。また、痰として細菌やウイルスを肺の外に出そうとしているのですが、痰が貯まると肺炎や気管支炎が起こりやすくなります。
上手に苦しくないように、痰を出す方法を身につけましょう。
◆さぁ、呼吸リハビリを始めましょう!
呼吸リハビリテーションは、継続することで体力が維持でき、息切れが軽くなります。せっかくついた体力も自宅で何もしないで引きこもりがちになると、足の筋肉はどんどん落ちて行き、息切れが強くなります。
運動を楽しみながら行うために、季節を感じるような歩行トレーニングのコースを作ったり、好きな音楽を取り入れたり、ウインドーショッピングをしたり(冬は風邪がはやっているので人混みはさけましょう)、目標を定めるために双六のように日本全国行脚するコース作る、というような工夫をしましょう。
一人で黙々と運動をすることはなかなか辛いことです。同じような病気を持った仲間と一緒に呼吸リハビリを継続すことも大きな励みになります。
自宅で呼吸リハビリを継続しやすいように、患者さんが持って帰れるビデオも作りました。家族の方も一緒に体操などの運動を続けて、前向きに生活しましょう!
呼吸リハビリのビデオ・ガイドブック・運動日誌

◆病気とうまくつきあっていくために・・・
 当院では、日々のリハビリテーションのほか、週2回の呼吸リハビリ教室で、呼吸器の病気とどのように付き合うのか、専門の医療スタッフがレクチャーしてます。いろいろなご質問にもお答えいたします。
呼吸の仕組み、自分の病気を理解する
病気によって生じる息切れ感、動悸、食欲低下、睡眠状態の悪化、心配、意欲の低下はなぜ起こるのかを理解する
効果的な呼吸の方法を身につける
症状のコントロールと軽減を図る
病気悪化の予防方法と対処の方法を知る
症状の悪化の兆候とその対処方法
薬の理解を深める(作用、副作用)
先生からもらっているお薬(内服薬、吸入薬)は何のために処方されているのかを理解する
運動の方法を身につける
日常の運動はどのような内容や頻度で実施すれば効果的なのかを知る
体重のコントロールと食事摂取内容に注意する
食事にはどのように注意すればよいのかを知る
禁煙の方法
タバコを辞めたい。禁煙するには?
在宅酸素療法とリビングウィル
ご自宅で生活を続けられるよう、在宅酸素療法について知る
社会的支援
在宅生活を支援する、介護保険をはじめとする様々な福祉サービスを知る
◆外来呼吸リハビリテーション◆
 当院の外来呼吸リハビリテーションでは、「心身ともにリラックスしていただこう!」という視点から、アロマテラピー・ヨガ・音楽療法・リラクゼーションを取り入れ、外来での呼吸リハビリの継続を図っています。
 またこれらは単に楽しければいいというものではなく、ストレスマネージメントを目的とした統合(代替)医療として実施しています。呼吸器疾患は、息切れや繰り返す感染増悪、いつ終わるとも知れない闘病生活などによって不安や抑うつ傾向が生じます。そのため従来の方法にストレスマネージメントを意識したプログラムを追加し、精神・心理面へのアプローチも行っています。
◆入院呼吸リハビリテーション◆
 6週間のプログラム入院により、包括的呼吸リハビリテーションを提供しています。運動療法だけでなく病気に対する自己管理の指導、薬物療法、栄養指導など病院すべてのスタッフによるサポートを行います。
 このプログラムにより、日常生活で息切れを減らすための体力向上を目標として、運動療法を集中的に行うこともメリットとして挙げられます。

 呼吸リハビリ教室は理学療法士だけでなく、医師・看護師・薬剤師・検査技師・在宅酸素の業者さんなどの様々なスタッフにより専門のアドバイスを患者さんに提供することによって、病気とうまく付き合っていくための上手な自己管理を身に付けて頂くことを目的としています。呼吸リハビリ教室は、毎週火・金曜日の13:30より4階呼吸リハビリ教室にて行っており、1ヶ月間ですべてのコースを終わります。スケジュールは院内に掲示しておりますので、自己管理能力向上のためにふるってご参加ください。
◆デイサービスでの呼吸リハビリテーション◆
 恵友会では、在宅酸素療法(HOT)患者さんを対象とした通所リハビリテーション施設「恵友会 デイサービスセンター」を開設しています。
介護保険下に外来での呼吸リハビリテーションが継続できるだけでなく、閉じこもりがちなHOT患者さんが外に出て、心身機能の向上を図るために効果的であり、急性期より在宅呼吸ケアまでの連続性を保つことが可能となります。

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