>ホーム>外来>在宅酸素療法>在宅酸素療法をされている方の日常生活について
在宅酸素療法をされている方の日常生活について
在宅酸素療法によって快適な日常生活を過ごすためには、主治医の生活指導にもとづいて、まず患者さん自身が病気を克服し、あるいは受け止めて新しい人生を築きたいといった前向きな姿勢をもつことが大切です。
睡眠・休息
適度な睡眠と休息をとるように心掛けましょう。
寝不足や寝すぎは体力が低下し、体調を崩しやすくしてしまいます。
うがい・手洗い
うがいと手洗いを習慣づけることで、風邪やその他の病気の予防につながります。
排泄
うがいと手洗いを習慣づけることで、風邪やその他の病気の予防につながります。
換気
冷暖房の温度に気をつけ、1日に数回は室内の換気をしましょう。
外気との極端な温度差は、身体に負担をかける要因にもなります。
また、酸素は燃えやすいため、火気には十分注意してください。
機器の周囲2〜3メートル以内は火気厳禁にしましょう。
外出と運動
体調に気をつけながら適度な運動を心掛けましょう。
動くと息苦しいからといって家に閉じこもってばかりいると運動不足になり、体力低下で体調は悪くなる一方です。
当院は呼吸リハビリテーションも行っていますので、ぜひご利用ください。
入浴
できるだけ酸素を吸入しながら入浴しましょう。
その際、体力を消耗する熱い湯への入浴や、息苦しいとき、熱のあるときの入浴は避けてください。また、風呂上がりの湯冷めは風邪をひく原因にもなりますので注意しましょう。
タバコ
タバコは肺機能を悪化させる原因になります。タバコは絶対に吸わないで下さい。
また、酸素を吸入しているときの喫煙は燃焼事故の原因にもなりますので、周りの方にも必ず禁煙してもらいましょう。
食事
暴飲暴食は避け、栄養バランスのとれた食事をしましょう。
食べ過ぎや、食物の種類によっては呼吸が苦しくなる場合があります。
一度に食べられない場合は数回に分けて食べるなどの工夫や、ガスの発生しやすい食べ物は避けるようにしましょう。また、塩分のとり過ぎや、栄養状態にも十分注意しましょう。
@なぜ食生活が大切なのでしょうか?
 酸素療法が必要な場合の多くは、「息をする」ということだけで健康な方より多くのエネルギーを消費していると言われています。また、息苦しさから食欲も落ち、やせぎみの方が多いようです。やせると呼吸に使う筋力も弱り、さらに呼吸がしづらくなり、息苦しくなるという悪循環に陥ってしまいます。
 一方で、太りすぎの方はおなかの脂肪が横隔膜の動きを悪くして、呼吸の邪魔をすることもあります。

 健康なからだづくりのためにも、また、息切れを悪化させないためにも「必要な栄養素を必要なだけ過不足なく食べる」ことが大切です。食事は生活するうえでの大きな楽しみのひとつですが、慢性の肺疾患の患者さんは食欲が減退することも多いようですが、体調を保ち、病気に対する抵抗力をつけるためには、十分な栄養が必要です。
Aバランスの撮れた消化の良い食事を心掛けましょう!
 必要な栄養素を欠かさず、バランスよく取りましょう。タンパク質は動物性のタンパクと植物性のタンパクの割合を半々に取りましょう。
 高齢の方は特にカルシウムが不足になりがちになり、また、利尿剤を使用されている方ではカリウムが失われやすいので、それぞれを多く含んだ食品を十分に摂るようにしましょう。
タンパク質が多い食品
魚介類、肉類、卵、納豆、豆腐、チーズ、牛乳、ゆば、 etc..
糖分が多い食品
ご飯、パン、いも類、トウモロコシ、めん類 etc...
脂質の多い食品
サラダ油、ごま油、バター、チーズ、マヨネーズ etc...
カルシウムの多い食品
牛乳、チーズ、ごま、煮干し、うるめいわし、ひじき、凍り豆腐 etc...
カリウムの多い食品
バナナ、みかん、こんぶ、わかめ、しいたけ etc...
各ビタミンの多い食品
ビタミンA:うなぎ、しそ、にんじん、にら、こまつな、のり etc...
ビタミンB:レバー、のり、やつめうなぎ etc...
ビタミンC:パセリ、キャベツ、ブロッコリー、みかん、いちご
ビタミンD:いわし、かつお、さば、ます etc...
     
(椎茸などのキノコ類はビタミンDのもとになる物質が多い)
ビタミンE:アーモンド、アスパラガス、卵、ほうれんそう etc...
Bエネルギーをしっかり摂りましょう!
 エネルギーが十分かどうかを見るもっとも分かりやすい指標は体重です。痩せぎみの方は現在食べている量では足りないということですから、しっかり食べて十分なエネルギーと栄養を確保しましょう。
 息苦しくて食欲がない方や、一度にたくさん食べると息苦しくなる方は、1回に食べる量を少なくして、食事回数を増やしたり、間食することで無理なくエネルギーをとることができます。
10時と3時など、時間を決めて「おやつ」の習慣をつけることもよいでしょう。
果物、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)は栄養面からみても間食に適しています。
C体重のコントロールに注意しましょう!
 肥満、やせすぎを防ぎ、体重のコントロールをこころがけましょう。
毎日体重をはかり、体重の変化をみるようにしましょう。そのうえで1日の食事量が適切か、体重の変化がないか注意しましょう。特に急激に体重が変化した場合は要注意です。
D塩分の少ない食事を心掛けましょう!
塩分は1日に10g以内を目安に。塩分のとりすぎは体のむくみの原因になります。
          
減塩食のポイント
塩分の多い、漬物、汁物の量や回数を減らす。
めん類の汁は残す。
かんきつ類、香辛料、酢などを使って味を補う。
うすあじの食品や汁でも、たくさんとってはいけません。
加工食品、インスタント食品には塩分が多く含まれているので、できるだけ使わない。
新鮮な材料を使って、うすあじで調理しましょう。
化学調味料の中には塩分も含まれているので、味付けには使わないようにしましょう。→自然の材料のうまみを生かした調理を工夫してください。
Eその他、このようなことに注意してください!
食事のとき、医師の指示のある人は、酸素の流量を食事時の流量に切り替えて酸素吸入を!
炭酸飲料、豆、いも類などはお腹が張り、ガスが出やすく横隔膜の動きを邪魔します。
→呼吸に悪い影響を与えることがあるので控えた方がよいでしょう。
お酒は少量ならば食欲増進につながります。
しかし、適量を越すと息苦しくなることがあるので注意が必要です。
※ビールやシャンパンなどの炭酸ガスが入ったものは避けましょう。
食事はゆっくり、リラックスした雰囲気で、家族の方と一緒に食事するようにこころがけましょう。

Copyright (c) Kirigaoka Tsuda Hospital. All Rights Reserved