霧ヶ丘つだ病院

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(睡眠に関する病気)その他の睡眠障害

不眠症

不眠の症状には4つに分けられます。

①寝つきがわるい(入眠障害)
②夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
③ぐっすり寝た気がしない(熟眠障害)
④朝早く目が覚める(早朝覚醒)

原因は、身体疾患(心疾患、腎疾患、糖尿病、高血圧など)、精神疾患(うつ病、統合失調症など)、睡眠障害、薬物の影響など、色々あります。
治療には、原因に応じた治療(睡眠薬など)を行います。

ナルコレプシー

過眠症の代表的な疾患で、日中に我慢できないほどの眠気に襲われ、会議中や試験中などのどんな状況でも寝入ってしまいます。
この眠気は、わずかな刺激で目を覚ますので、ただの居眠りと誤解されることがあります。
診断には、問診・PSG検査MSLT検査を実施します。当院でも検査できます。

MLST検査の詳細についてはこちら クリック

眠気を評価するためには、睡眠習慣を把握することが重要です。
受診時に『睡眠日記』を記載の上、ご持参下さい。

睡眠日記はこちら >>詳しくはこちら

【特徴的な症状】

  • 日中の強い眠気、繰り返す居眠り
  • 怒ったり笑ったり、驚いたりしたときに、体の力が突然抜ける(情動脱力発作)
  • 寝入りばなに鮮明で生々しい夢(幻覚)を見る(入眠時幻覚)
  • 金縛り(睡眠麻痺)

レム睡眠行動障害

  • 『寝言・悪夢でうなされる。』
  • 『寝ているときに、横の人を叩いたり蹴ったりする。』
  • 『横の人から苦情を言われる』
  • 『近くにあるテレビやタンスなどを叩いて本人が怪我をする。』

このような睡眠中の異常な行動であり、『レム睡眠行動障害』と呼ばれます。

50~60歳の男性が9割と非常に多く、ある日突然、怖いとか追いかけられたりとか、人と争うような夢を見るようになり、夢の内容に一致して激しい寝言や叫び声をあげたりします。
起き上がって徘徊したり、隣の人を殴ったり、蹴ったりの暴力的行動を認めることもあります。
このときに起こすと簡単に目覚めて意思疎通ができ、夢の内容もよく覚えているのが特徴です。
朝方に多く、不規則な睡眠の方(夜勤や三交替勤務など)に起こりやすく、飲酒やストレスで増悪します。

≪実際の症例≫ 実際の症例
  • 光が動いていたので追いかけていき手を出したところ、奥さんの目を突いていた。
  • 何かに追いかけられる夢を見て、逃げたら実際の壁にぶつかった。
  • 猫の夢をみていて、背中に毛のようなものが触れるので気になって叩いたところ、実際には奥さんを叩いていた。
  • 大きな竜と格闘している夢を見て、襲いかかってきた竜から妻を守ろうと必死で竜の首を絞めたところ、実際は妻の首を両手で絞めており、苦しみもがく妻の声で目が覚めた。

このレム睡眠行動障害と似たような病気に『せん妄』がありますが、レム睡眠行動障害と治療法が異なるため、鑑別診断が重要です。
診断には、問診睡眠ポリグラフィー検査(レム睡眠の評価)を実施します。

睡眠ポリグラフィー検査の詳細についてはこちら クリック

治療にはまず自損・他損を防ぐために危険となりうるものを置かないなどの滲湿の安全対策をしましょう。
薬物療法では、クロナゼパムの内服で8~9割の方の異常行動がなくなり、怖い夢を見なくなるなど効果があります。
寝ている間の異常行動ですので、何かにとり憑かれたのではないかと『お祓い』に行かれたり、霊媒師にみてもらったりされている方もおられましたが、悩まずに病院で検査・治療されることをお勧めします。